音大生のちくわさん、こんにちは。レッスン等でも唇の形や脱力についてのご質問をいただくことが多いので、お答えさせていただきますね。
唇だけの問題ではない
いきなり結論を書いてしまいましたが、演奏時の唇は、余計な力が入るのはもちろん良くないですが、完全に脱力というわけでも(普通は)吹けないはずです。
ではどのような形で吹けばいいかというと・・・、私がアンブシュアについて大切にしている言葉が、恩師パウル・マイゼン先生の『クロイツェル・フルート・エチュード』のP.7にあります。
『唇の緊張感と息の流れのバランスが正しくなった時のみ、響きが壊れないで済みます。この際の簡単な規則は「柔らかい口元と力強い息の流れ。」』
アンブシュアについての問題は、この言葉に集結されていると思います。
力強い息を流せるようになったら、おのずと唇の余計な力は抜けてくるものです。
決して唇だけの問題と考えず、息とのバランスで成り立っているものだと意識してみてください。
男の先生と女の先生の差
ちくわさんは複数の先生に様々なことを言われたようですね。
これは完全に私の持論ですが、息のパワーがしっかりある男性の先生に「唇の力を抜いて!」と指導されて悩む女子が多い傾向にあると感じています。息を流すパワーがないのに口の力だけ抜くと、ふにゃふにゃな演奏、もしくはただの力ずくの演奏になってしまいます。とにかくバランスが大切なので、しっかり息をコントロールできるよう鍛えながら、同時に脱力を学んでいくのが良いのではないでしょうか。
その点、体型が似ている同性の先生のアドバイスをもらうのも良いヒントになるように思います。
唇の形についての補足
ご質問は「唇の引き加減」についてですが、唇の形や穴の場所についてもよく聞かれることがありますので少し補足します。
私は唇の形や穴の場所は意識して(練習して)作れるものでもないと思っています。歯並びや唇の厚さ、筋肉のつき方も人それぞれですし、単純に「穴は真ん中に!」というのは少し乱暴な気がします。
私自身も真ん中ではないことを人に指摘されて悩んだことがあるのですが、モイーズも、ランパルも、写真を見たらものすごくズレているではありませんか。
結果、程よく脱力してその人にとって自然な場所で吹ければ良いと思うようになりました。
最後に
唇の形やコントロールについて悩んでいる方は、ぜひ柔らかい口元と力強い息の流れのバランス(←大切なので赤でもう一度書きました!!)この言葉を頭の片隅において練習してみてください。
初めに取り上げたマイゼン先生の教則本についても紹介してあるページがこちらです。クロイツェル・フルート・エチュード、音大で勉強をしている方でしたらとてもおススメです。
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