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執筆者の写真Yoshie Ueno

舞台袖での不安対策



かずきさん、コンクールの時に舞台袖で不安になる気持ち、よくわかります。

前の人の演奏が聴こえてくると、自分はちゃんと吹けるんだろうかと不安でたまらなくなってしまいますよね。


私が学生時代師事していた先生がよくおっしゃっていたのは、「舞台袖で人の演奏を聴くと、なぜか通常よりうまく聴こえる」ということです。これは私も経験上感じています。不思議ですが、舞台裏の暗さや漂う緊張感とリンクしているのかもしれません。


そして「この人はこんなに上手なのに、自分はそんなでもないかもしれない。落ちたらどうしよう。」なんて考え始めてしまったら、顔面蒼白、心臓爆発状態になってしまいます。


私も何度もこの生きた心地のしない状態を経験して、一つの方法を編み出しました。


楽屋から舞台へ出るまでの動きを決めておく

一番効果があったのはこれです。自分の動きをだいたい決めておいて、その通りに動いていくと、周りに左右されにくくなります。


  1. 楽屋で前の人が呼ばれたら練習をやめて、楽器と掃除棒、クロス、水、楽譜等、舞台裏に持って行くものをまとめる。化粧台や周辺をきれいに整える。

  2. 呼ばれたら必要なものを持って速やかに楽屋を出る。

  3. 舞台袖の待機場所に着いたら、まず足のアキレス腱のストレッチをする。(左右何回ずつ等、細かく決めておくのも効果的)

  4. ストレッチを終えたら楽譜を開いて、しっかりしたブレスを取りながら曲の冒頭を心の中で何度も歌う。

  5. 直前は楽器が冷えていないか確認して、冷えているようだったらゆっくり息を流して温める。この時も曲の冒頭のフレーズを頭の中で流す。


だいたいこのような感じです。この流れに沿って動いていけば、前の人の演奏をゆったり聴いている暇はなくなります。これは私の例なので、かずきさん自身が良いと思う順番や内容でぜひ試してみてください。


ちなみに、楽屋での音出し中に周りが気になってしまう人は、どのような順番で基礎練習や曲の練習をするか(時間配分等)をだいたい決めておくのもおススメです。


コンクールは自分との戦いです。周りに惑わされず自分のベストが出せるように、頑張ってくださいね!


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